だめだ。煮詰まった。ここで立て直し。という時には、コーヒーを淹れて一息つきたい。
決まった所作と割愛できない時間。コーヒーをドリップするひと手間が、頭の中を占めているこじれた何かから気持ちをはがしてくれる。
そんなときのコーヒーのおともは、手軽に市販のお菓子でもいいけど、頭の整理の時間稼ぎに、もうひと手間なにか、わざわざ遠回りをしたい。ちょうどいいくらいの手間をかけて作るなら、冷凍パイシートを使ってバナナパイ。
バナナはねっとり甘いマットな味わいのフルーツだけど、コーヒーのおともとしてのバナナは、酸味の生きた透明感ある味わいのフルーツになる。うっすら感じるバナナの酸味にコーヒーの酸味が呼応する。
作り方は簡単。冷凍パイシートに砂糖を散らして、輪切りにしたバナナをのせて、焼くだけ。トースターなら予熱もいらない。
180℃でいい感じに焼けるまで焼いたらできあがりだ。ちょうどいいめんどくささ。ちょうどいい手間。
ソフトクッキーにして味わうバナナも、またよきコーヒーのおとも。
「ちょうどいい手間」で言うと、市販のバウムクーヘンをブリュレ風にアレンジするのもいいかもしれない。
家の中で同じ景色ばかり見ていて煮詰まってしまったときは、外に出て気分転換した方が早い、場合もある。
