苦みの感じ方は、大人と子どもで違うのだそうで。毒物や腐敗したものを食べないための防衛機能として、子どもの方が苦みを感じる味蕾(舌表面のつぶつぶ)が多くて感覚が鋭敏らしい。ピーマンにしろ、ビールにしろ、コーヒーにしろ、苦みをおいしく感じられるようになるのなら、退化も鈍磨も悪くない。
苦みがおいしい、というのは、苦けりゃおいしい、ということではなくて、おいしい苦みとおいしくない苦みとある。コーヒーで言えば、やっぱり、香りとセットになっているのかなと思う。飲み込んだあと、口の中に広がる苦みをじんわりと味わうときに香るものがあると、苦みがおいしいコーヒーだなと感じるんじゃないか。
苦みがおいしいコーヒーのおともには、ストレートに甘いものが欲しくなる。甘くて、どっしり重たくて、食感はマットなやつがいい。スウェーデンのチョコレートケーキ・kladdkakaもばっちり甘くて合うはずだけど、和菓子の甘さもしっくりいきそうだ。
kladdkakaは外がサクサクで中がとろとろの半生食感がおいしい。あんな感じで、外がサクサクで中がとろとろの、餡入り焼き餅なんてどうだろう。たとえば、梅ヶ枝餅みたいな?太宰府天満宮の参道で食べた梅ヶ枝餅は外側サクサクで中がもちもちだった。
梅ヶ枝餅のあんこは小豆を使うところ、大豆の香りと黒い色がコーヒーの苦みに合いそうだから、黒豆あんにしてみる。
材料と作り方はこんな感じでどうだろう。水を入れて蒸し焼きにすることで、水分多めのとろとろ餅に。外側はサクサクに焼き上げる。
黒豆あん焼き餅の材料と作り方(4個分)
- 白玉粉と水を加えて混ぜ、こねる
- 白玉粉 70g
- 水 65ml
- 別のボウルで上新粉に熱湯を加えて混ぜ、ゴムべらで練る
- 上新粉 30g
- 熱湯 20ml
- ①と②を合わせてこね、4等分する
- 生地を薄く伸ばし、25gずつ丸めた黒豆あんを包み、平らな円形にする
- 黒豆あん 100g 黒豆あんの作り方
※ 黒豆煮がある場合は煮汁ごとミキサーにかけ、鍋で煮詰めて味を調整してリメイクしても良い
- 中火にかけたテフロンのフライパンに、④ を並べる
- 水を入れ蓋をして3分蒸し焼きにする(とろとろ < さっくり が好みの場合は、水を入れずに蓋だけする)
- 水 大さじ3
- 蓋を取り、そのまま餅の底面が乾くまで触らずに焼く。底面が焼けたら上下を返して反対も焼く
黒豆あんの作り方 〜作りやすい量〜
※ 黒豆煮がある場合は③から。味を見て甘味が足りていれば砂糖は入れなくて良い
- 鍋に水を沸騰させたら火を止め、洗った黒豆を入れて8〜12時間おく
※ 鉄玉子などあれば一緒に入れる - 黒豆 100g
- 水 600ml(豆の重量の6倍)
- 時間をおいた①を強火にかけ、灰汁が出てきたらすくう。火力を弱火に落とし、キッチンペーパーなどで落とし蓋をして豆が柔らかくなるまで煮る(3〜4時間)
- 豆が柔らかくなったら煮汁ごとミキサーにかけて豆を潰す
- 鍋に③の豆と砂糖、塩を合わせ、煮汁を足しながら火にかけて丸められる硬さになるまで練る。醤油を加えて風味を整える。
- 砂糖 100g(煮る前の乾いた豆と同じ重さ)
- 塩 ひとつまみ
- 醤油 小さじ1/2
鉄玉子というのは、こういうやつ。黒豆が黒く煮上がる。いろんな形があるけれど、我が家は鯛型。可愛いから