我が家では、ハンドドリップでコーヒーを淹れるとき、ペーパーフィルターの円錐ドリッパーを2種類使っていて、ざっくりと「深煎りのコーヒー豆はコーノ式」「浅煎り〜中煎りのコーヒー豆はハリオ」というような使い分けをしている。
同じ豆でもドリッパーが違うと強調される味わいや香りが異なるのが面白くて、気分で使うドリッパーを変えたりもするけれど、最初に味わう封切りの1杯は、そんな風な使い分けだ。
浅煎りのコーヒー豆だけは、コーノ式は使わず、絶対にハリオで淹れるけれど。これは、単に腕が足りないという話で、ハリオよりも抽出に時間がかかるコーノ式ドリッパーで、浅煎りのコーヒーをえぐみを出さずに淹れる自信がないだけだ。
コーヒーには、味わう楽しみだけでなく、淹れる楽しみもあるし、淹れる姿を鑑賞する楽しみ、というものもある。YouTubeには、うっとりするような美しい所作のハンドドリップ動画がたくさんあって、細く垂れる湯を受けてふっくらと立ち上がる泡を眺めていると、つい、時間を忘れてしまう。
関連動画を渡り歩いて巡りあったドリップ動画の中に、コーノ式ドリッパーのメーカー社長が解説するコーノ式のコーヒーの淹れ方動画を見つけた。
コーノ式は点滴ドリップが基本だから、”蒸らし”という概念がないそうな。
リブの短いコーノ式ドリッパーは、注ぐ湯量をうまく加減しないと、あっという間に砂の沈殿した水たまりのようになってしまう。これが腕の足りない者には難儀するところなのだけれど、うまくコントロールができれば、浅煎りコーヒー豆も、恐るるに足らず、なのかもしれない。
今はドリップポットは使っておらず、バルミューダの電気ケトルで湯を沸かした後、湯温が下がるまで放置してケトルから直接お湯を注いでいる。ドリップポットみたいな形状の注ぎ口だから使いやすくて。
ただ、細い管を下から上へと圧がかかって出てくるため、勢い強く、湯がコーヒー粉に鋭く注ぎこまれてしまう。ポタリポタリと滴を落とす、点滴ドリップというのはなかなか難しい。ゆっくり傾けて勢いを削ごうとしても、今度は注ぎ口をつたって思いもよらないところに湯がこぼれてしまうのだ。
点滴ドリップには、どうも、注ぎ口の底に溜まりがあるタイプのポットがいいらしい。その名も「ペリカン」。
いろんなプロの人がおすすめしていて、動画も多数。斜め45度に傾けて湯を落とすと点滴ドリップができるんだって。
どうしよう。社長の言うことを正義とするなら、コーノ式ドリッパーでコーヒーを楽しむに、点滴ドリップのマスターは基本も基本。スタート地点だ。買ってしまおうか。
悩んでいる。。。