リモートワークに慣れた今となっては、もはや懐かしく感じられるような、職場でのコミュニケーションのかたちが、いくつかあると思う。
聞くとなしに耳に入ってきた会話からなんとなく状況を察する、っていうのもそのひとつだ。電話の声とかね、聞こえてきたりするじゃない。
ある日あるとき聞こえてきたのは、ちょっと離れた席の人の声。文字に起こせば理性的な受け答えをしているものの、声からは抑えきれない感情の高まりが伝わってくる。
彼女の身に理不尽なことが起きている、っぽい。そして彼女は、その理不尽を受け容れることにした、っぽい。
しばらくして、帰ろうと席を立ったら、キリッとした顔で涙を流している彼女の顔が見えた。辛くて泣いてるんじゃなくて、憤って泣いてるんだ。別に慰めなんて要らないだろうけど、自席の引き出しの中にチョコバーがあったので、甘いものでもどうぞと渡して帰った。
チョコをつまみながら、あったかいコーヒーで一息ついたら、気持ちを切り替えられる、こともある。
翌朝、お礼とともに「あのチョコレート、初めて食べました!おいしかったです」と言うニコニコ笑顔の彼女を見て、よかったよかった、また買っておこう、と思ったのだった。
そのチョコバーは Flying Tiger Copenhagen の『SHARE』*1 キャラメル&シーソルト味。おいしいの。雑貨屋さんのお菓子って包装やデザインが凝ってて、スーパーで買うお菓子より気分が上がる。雰囲気込みで、おいしい。
日本のお菓子とは違う味わいだから、ちょっとすまして食べるような日常からの遠さがあって、高価なものでもない。「おつかれさま」と気負わず渡せて、相手も「返礼を!」とはならない、ちょうど良さ。お構いなく。
おつかれさまコーヒーのおともには、Flying Tiger Copenhagen のチョコバー『SHARE』を。
これからも、引き出しに入れておきたいコーヒーのおともだ。降りかかる理不尽を「まあ、いいか」と受け流して前に進みたい誰かと、時には自分のために、見つけたときには買っておこう。
甘いものでもどうぞ、もまた、リモートワークで機会の減ったコミュニケーションになってしまったけれど。
*1:
”SHARE”するこのチョコバー、割れ線が均等でなく、1/7・1/5・1/5・1/5・1/4 と、サイズ違いの小片に分けられるようになっている。
「違ってもいいし、同じでもいい」感じがいいね。1/5が3個あるのがいいんだ。個性重視と言って、人と違うことにしか価値はない!みたいな逆張りプレッシャーもしんどいものね。誰かと同じような個性だってあるさ。
足して1にならないのもいい。7・5・4の最小公倍数140を分母にしたらいいんだよね?? 20/140 + 28/140 + 28/140 + 28/140 + 35/140 = 139/140 で、あってるよね???
人生にはわからないことをそのままにしておく140分の1くらいのバッファが必要なのかもしれないよ。人生は割り切れない。大概でいい。示唆に富んだチョコバーだ。