英語かイタリア語かぐらいの違いかと思っていたら、別物だったらしい。「アメリカンコーヒー」と、「カフェアメリカーノ」。
俗称なので明確な定義があるわけではなく、諸説あって、ざっと検索してみるだけでも、いろいろな人がいろいろなことを書いている。大体、Wikipediaに書いてあるような内容におさまる模様。
アメリカン・コーヒーとは、浅く焙煎したコーヒー豆で入れたコーヒー。アメリカンとも呼ばれるがアメリカーノとは異なるコーヒー。和製英語で「アメリカン」は「濃度が薄い」という意味に拡大してきた。
焙煎度が低いシナモンロースト(浅煎り)やミディアムロースト(やや浅めの中煎り)の豆を使って、パーコレータなどのコーヒーメーカーで多めのお湯でいれる点が特徴である。
アメリカーノ(伊: (Caffè) Americano)とは、エスプレッソ・コーヒーに湯を注いで作るスタイルのコーヒーのことである。
大まかには、浅く焙煎した豆を多めのお湯ですっきり淹れたのがアメリカンコーヒーで、エスプレッソをお湯で薄めたのがアメリカーノということ。選ぶ豆も抽出方法も全然違うものなんだね。
しかし、パーコレータとは。実際に使ったことはないのだけれど、構造から察するに、ドリップされたコーヒーとお湯が混ざって循環して、コーヒーを煮出すことになるんじゃないか。
煮出す要素は除いて、沸騰した湯を粗いメッシュを通して短時間にドリップする、ということならば、たとえば、ナポリ式コーヒーメーカーがある。沸かしたお湯をバスケットに入れたコーヒー粉に通して抽出する3階建ての直火式コーヒーメーカーだ。あれで淹れてみたらどうだろうか。
ナポリ式コーヒーメーカーというのは、こういうやつ
一番上は注ぎ口のついた空のポット、真ん中にコーヒー粉入りバスケット、一番下が水をセットするタンクになっていて、直火にかけて使う。水が沸騰したら上下をくるっとひっくり返して、コーヒー粉の入ったバスケットにお湯を通し空のポットに落とすことでコーヒーが入る。
上下をひっくり返して淹れる、というのは、こういうこと。
この器具は cuccumella と呼ぶらしい。よみ方はクックメッラ、かな。水とコーヒー粉をセットして直火にかけるところはマキネッタに似ているけれど、加圧はされない。コーヒー粉が入ったバスケットにお湯を通すだけだから、焙煎の浅いコーヒー豆を中挽きくらいにして淹れたら、さらりと入りそう。
ナポリ式の淹れ方でアメリカンコーヒー を淹れる。不思議な感じがするけど、そもそもアメリカンコーヒーは、これがつくられた当時の日本人が「アメリカ風」を再現した、解釈のコーヒーなんだから、いいじゃないか。
中煎りくらいのブレンドコーヒー豆を、ペーパードリップで淹れる時と同じ目で挽いて淹れてみたら、果たして、アメリカンコーヒー だなあ、と感じるコーヒーが入った。ふわっと香ってスッと消えるキレの良さが軽やかなコーヒー。
入ったコーヒーにえぐみはないけど、微粉が口の中に残るから、バスケットにセットする前にコーヒー粉を茶こしで軽くふるった方が良いかもしれない。あと、上澄みだけ飲む。
我が家には1杯だてのものしかなくて、70ccの水に10gのコーヒー豆を使って60ccくらいのコーヒーしか淹れられなかった。60ccのアメリカンコーヒーが飲みたいタイミングが思いつかないので、容量の大きいcuccumellaで、またトライしてみたい。