聖人のことなど気にもかけず、イベントごとに乗っかってみようか、くらいの浅薄さで、バレンタインデーにちなみチョコレートのなにかをつくることにした。
この時期の定番と言ったら個人的にはガトーショコラなのだけど、どうも、ハンドミキサーを出す気力がない。棚の見えるところに置いてあって、手を伸ばして取り出すだけなのに、どうしても、ハンドミキサーを出すことができない。
ピンポントに、これだけはどうしてもできない、そんな日もある。しかたない。何ならできるか考える。
ココアでつくるスウェーデンのとろとろチョコレートケーキ、クラッドカーカなら、ハンドミキサーを使わなくても作れるし、そんなに手間もかからないからできそう。ただ、とろとろ食感のほうが、いまの気分に合わない。
製菓用チョコレートをつまみ食いして、もうコーヒー淹れちゃって、チョコそのままでもいいじゃん、という気持ちになりかけたところで正解が出た。
溶かして、粉を足して、焼いたらクッキーになる。ハンドミキサーはいらないし、材料の計量も楽、洗い物も楽。食感はサクほろで、いま食べたい気分だ。ほぼチョコレートだから、コーヒーのおともに合わないわけがない。
とりあえず、オーブンの予熱を開始したら、すんなり動き出せた。自転車のこぎ始めみたいなもので、動き出しがいちばん負荷が大きくて、動き出してしまえば、なんてことはない。難なく、あっという間にできてしまった。
バレンタイン時季のコーヒーのおともに、焼きチョコクッキー。チョコならなんでもよかったイベント便乗のコーヒーのおとも。
つまみ食いのチョコレートだって、まあおいしかったけど、気力に満ちた時でないからこそ、ひと手間がもたらすおいしさを尊く感じるのかもしれない。
材料と作り方はこんな感じ。
焼きチョコクッキー 材料と作り方
- チョコレートを耐熱のボウルに入れ、湯煎するか電子レンジ加熱をして溶かす
※ 電子レンジ加熱の場合は完全に溶け切らないところで加熱をやめて、かき混ぜて溶かす - チョコレート 50g
- 粉類をあわせて①のボウルにふるい入れて混ぜる
- 薄力粉 10g
- コーンスターチ 10g
- ②をシリコンの型に詰め、150℃に予熱したオーブンで15分焼く