バレンタインデーが近づく頃に、うっかり買ってしまった400gもある製菓用の板チョコが、3月に入っても未開封のまま。その大きさも相まって、日々、早く使わなければというプレッシャーを強くしていた。
ガトーショコラでも作ろうと買ったのだったと思う。でも、ガトーショコラを食べたい気分には、なかなかならなくて。
本当に、何にも思いつかずにいたのが、ようやく作りたいものが見つかった。クッキーだ。
見知ったパッケージのお菓子の中身が、気付いたら「ああ、子供の頃よりも自分の身体が大きくなったから」では誤魔化せないくらい小さくなっていて、しばし、言葉を失う、そんな場面が増えてきたこのごろ。
実質値上げを責める気持ちは全くないけれども、これはなんだろう、悲哀? 今を振り返って「いい時代だった」と惜しむような未来がやって来るのかもしれないと、喪失感を先取りする、痛がりの未来予測みたいなもの。しょんぼりさせる何かを振り払う勢いで、大きなクッキーを焼きたい気持ちになったのだ。
なにしろ、チョコレートは400gもあるから、チョコレートはふんだんに使う。粉と同量、ほぼチョコレートみたいなクッキーにした。めちゃくちゃ甘い。
最近は粕谷哲さんの動画をみて、もっぱら HARIO の浸漬式ドリッパー「スイッチ」 でドリップコーヒーばかり淹れていたのだけど、
このクッキーは、ひたすら甘い、繊細なところがないクッキーだから、太い感じのコーヒーがいいと思う。面で味わいを主張してくるみたいな、マキネッタで淹れたコーヒーにフォームドミルクをあわせたカフェラテとか。チョコレートチャンククッキーには、やっぱり、牛乳は不可欠なんだ。
気持ちがちぢこまった時のカフェラテのおともに、大きなチョコレートチャンククッキー。チョコレートたっぷり、大きくつくったクッキーをほおばって、気持ちを解きほぐそう。
材料と作り方はこんな感じ。焼くと生地が薄く広がるので、間隔を十分にあけて。あと、並べる位置に注意。我が家の天板は水平ではなくて、端寄りの位置に置いた生地は外側に流れて楕円形になってしまった。
チョコレートチャンククッキー 材料と作り方
※ 生地を前日の夜に作り、翌日焼く
- バターをレンジ加熱して溶かし、冷ましておく(600W・1分〜)
※ 溶け方を見て少しずつ加熱する - バター 100g
- 薄力粉とベーキングソーダは合わせてふるっておく
- ボウルに砂糖と①のバターを合わせ混ぜ、しっかり混ざったら卵を加えてよく混ぜる
- きび砂糖 140g
- 卵 1個
- ③のボウルに②で合わせた薄力粉とベーキングソーダを加えまぜる
- チョコレートを粗く刻み、④の生地に加えて混ぜる。ボウルにラップをかけ、生地を冷蔵庫で一晩休ませる
※ 当日焼く場合は、室温で2時間以上休ませる - チョコレート 100g
- 休ませた生地が、すくえるくらいの固さになるまで室温に置く。天板にオーブンシートを敷き、ディッシャーで丸くすくった生地を十分な間隔を開けて並べる
※オーブンを180℃で予熱し始める
- 180℃のオーブンで天板に並べた⑥を9〜12分焼く