スウェーデンの生活慣習には、コーヒーを飲む時間(fika・フィーカ)が大切なものとして組み込まれていると聞く。そんなひとたちは、コーヒーのおともについても、ばっちり合うものをたくさん知っていそう。
シナモンロールやセムラは、日本でも知られたfikaのおともだ。もっといろいろあるんじゃない?
fikaのおともレシピを検索してみると、「さすが日常的に家庭で作るお菓子」と感心してしまうような、シンプルなお菓子があった。ココアで作るチョコレートケーキ kladdkaka (クラッドカーカ *1)だ。溶かしたバターに卵と砂糖とココアと小麦粉を混ぜて焼くだけ。
これぐらいの負担だから日常に取り入れられるのだよな、とも思うし、日々の営みとして続けようとしたら、これぐらいシンプルにするのが合理的だし道理だよな、とも思う。
あれこれ抱え込んで疲れちゃったときは、コーヒーを飲んで一息ついて、忙しい頭を休ませたい。苦味がしっかりきいたコーヒーに、ガツンと甘いものを。
そんなときのコーヒーのおともに、シンプルな素材と手順で作る kladdkaka はどうだろうか。抱えているものの中にやらなくてもいいことが混ざっていないか整理してみるのも、いいコーヒー時間になりそうだ。
今回、ココアの香り出しと混ぜやすくするためとで、ココアを煎ってからバターと合わせてみた。でも、バターを溶かした鍋に全ての材料を入れて混ぜる、くらいのダイナミックさでも作れるケーキみたい。バターを溶かした小鍋にそのまま材料を足していっちゃうとかね。
シンプルに徹し切れないのは、まだまだ削ぎ落とせない雑念があるからか。スウェディッシュ合理主義の境地は遠い。
材料と作り方はこんな感じ。砂糖は少なめにしたけど、とっても甘いので深煎りコーヒーのおとも推奨。無糖のホイップクリームを添えてもおいしそう。
ちなみに、チョコレートを使って作る、しっかり固めのガトーショコラも好き。
kladdkaka(クラッドカーカ)の材料と作り方
下準備① オーブンを200℃に余熱する
下準備② ケーキ型にバター(分量外)を塗っておく
※ 底が取れる直径15cmの丸型使用
- 小鍋にココアを入れてヘラで混ぜながら弱火にかける。30秒くらいしてココアの香りがしてきたらバターを加えて溶かしながら混ぜる。バターが溶けたら小鍋を火から下ろす
- 純ココア 大さじ2 ※無糖のもの
- バター 50g
- ボウルに卵と砂糖をあわせ、泡立てないようにすり混ぜる。塩とバニラオイルも加えて混ぜる
- 卵 1個
- 砂糖 1/2カップ(100ml)
- 塩 ひとつまみ
- バニラオイル 1〜2滴
- ②の卵液に①のバターを少しずつ加えながら混ぜる
- ③に薄力粉をふるい入れ、粉っぽさがなくなるまでゴムベラで混ぜる
- 薄力粉 1/2カップ(100ml)
- バターを塗った型に④を流し込み、余熱したオーブンで12〜15分焼く
- 冷めたら型からはずし、粉糖をかける
- 粉糖 適宜
※ 冷えると固まるので、食べる前に10秒くらいずつ調整しながらレンジで温めて、好みの柔らかさにする
さすがfikaの国。スウェーデンのパンやお菓子には、コーヒーと一緒に食べたいものがいっぱいある
高さのない薄い仕上がりがkladdkakaっぽい気がしたので15cmの型を使った。分量的には食べきりサイズの直径12cmの型でもいいと思う。