日清シスコのココナッツサブレにトリプルナッツというフレーバーがあって、そんなに新しい商品ではないと思うけど、初めて買ってみた。
ココナッツサブレの味は知っている。派手さはないものの、飽きさせないちょうどいいおいしさが魅力だ。トリプルナッツにしたって、アーモンドとヘーゼルナッツをブレンドしたことでオリジナルから劇的に変わるものでもなさそう。ハズレでないことは絶対的に信頼しつつ、でも、そんなに大きな期待はせずに買ってきたのだった。
ところがこれが、ちょっとびっくりするくらいコーヒーに合う。
”ちょっと”とはどれくらいかと言うと、PC作業の合間にコーヒーを淹れようと立ったキッチンで、何の気なしに1枚食べたら味見が止まらず、机に戻って飲むはずのコーヒーをキッチンで飲み終わってしまったくらいだ。
コーヒーが濃く入ったので、お湯を足して濃さを確認していたのだけど、コーヒーを口に含んだらおともを口に運ぶのが習慣づいているのか、何も考えずにココナッツサブレの袋をあけて、1枚、口に入れていた。ちょっとびっくりするくらいよく合うものだから、一瞬フリーズして、確かめるように、続けてコーヒーをふたくち、みくち、サブレを2枚、3枚。止まらなくなり、立ったまま、コーヒーを飲み終わってしまった、という次第。
画像は、最後の1枚を食べる前にハッとして撮ったもので、気づいたらコーヒーは底にわずかに残るだけになっていた。大した期待をかけていなかったココナッツサブレに、してやられた。
高価なものでも希少なものでもないのに、心が動く体験をもたらす力を持っているって、すごいことだ。見つけたらまた買おう。
買い求めやすいお菓子のクオリティは大衆の生活の豊かさを表現するもののひとつである、と思っている。そういう豊かさをこれからも変わらず享受していけるかはわからないから、ココナッツサブレを食べながら、「この価格で、どこでも買えるものが、こんなにおいしい」というアタリマエのありがたさをかみしめる。
