ねばりをみせる残暑に、心からは秋を感じられずにいる10月。街を歩けばハロウィン仕様の装飾が目に入りはするのだけれど、ハロウィンは、なんだか秋を実感するものではない。そんな時期か、と思いはしても。
不意に、Tim Tamの白いパッケージが目に飛び込んできて、「ああ、これから寒くなっていくんだなあ」と思った。
寒い季節しか店頭に並ばないホワイトチョコレートって、感覚に根をおろした初冬の風物詩だ。「ホワイトチョコ並ぶ」って季語があっても良さそう。
棚に並んだ何種類かのTim Tamの中で、目に飛び込んできたのはWhiteのパッケージ。寒い季節にはまだ遠いけど、旬の“走り”を味わいたくなってしまって、一つ手に取り、まっすぐレジへ。
そこから一番近いコーヒーショップでコーヒーを買って、一番近い公園をめざす。いい天気で公園コーヒー日和だったから。
公園に入ると、ちらほら紅葉し始めた木々を秋らしい色をした日の光が照らしていて、想像以上に秋の景色になっていた。こんなところにいたのか、秋よ。
強い日差しを避けるために木陰を探して腰をおろす。もう少ししたら日のあたるベンチを探して座るようになるんだね、と、ホワイトチョコでコーティングされたTim Tamをかじりながら、これから来る寒い季節に思いを馳せた。
秋の気配が潜む公園で飲むコーヒーのおともに、Tim TamのWhite。ばっちりだったよ、やっぱりね。コーヒーはアイスじゃなくて、ホットにしたのもよかった。
もう少し寒くなったら、キャラメル味のが食べたくなるんじゃないかと思う。