なんとなく、まっすぐ家に帰りたくないような、「家が遠い」日がある。家に帰る前に、ちょっとどこかで一息つきたい日。
スノードームの中を舞い落ちる雪みたいに、頭に浮かぶモヤモヤが落ち着くのを待つ時間が必要だ。モヤモヤが消えて無くなることはなくても、せめて足元に降り積もるまで。沈殿するまで。
カフェでもいい、喫茶店でもいい。けど、西へ傾く日の光が色を変えていくのを感じながら、公園のベンチに座って、コンビニコーヒーを飲むのもいい。甘いものでも、一緒に買って。
コンビニコーヒーと一口に言っても、各社のドリップコーヒーには個性があって、好みも色々あろうけれど（私の好みはセブンイレブン）、家が遠い日のコンビニコーヒーは、「このまま、まっすぐ家に帰りたくないなあ」と思ったときにいちばん近くにあるコンビニがベストだ。コンビニコーヒーの美味しさは、コンビニエントなところにある。コンビニエンスを味わおう。
コンビニコーヒーのおともにはもちろん、コンビニで売ってるスイーツが合う。そういう風に開発された商品なのだから。家に帰る前に、どこか外でいただくのなら、手で袋を持ってそのまま口に運べるものがいい。プリンやケーキだと、蓋や外袋やスプーンの袋が風で飛ばされたりするからね。
今日のコーヒーのおともはこれだ、と選んだのはエクレア。チョコが溶けて袋にはりついてしまった。こういう冴えない感じもまた、味わいのうち。
コーヒーを飲みながら、ぼんやりして、暗くなったら、家に帰ろう。
