「暑すぎてコーヒーを淹れる気になれない」状態は結局、夏中続いて、緑茶ばっかり淹れて飲んでいるうちに秋が来た。
週に1、2回くらいしかコーヒーを淹れなくなって、豆を切らしたままの期間も長くなって、夏の終わりが近づいてくると、これは夏バテによる一時的なおやすみではなく、コーヒー引退をむかえる嗜好の変化なのかもしれないと思うようになっていた。
それが、あの異常な暑さの夏が、時季の到来でスンと終わって、急激に涼しくなって、寒いくらいになったら、コーヒーを淹れようかなという気持ちがかえってきた。やっぱり、夏のせいだったらしい。コーヒーを、淹れよう。
新幹線に乗る前に寄った駅ビルのコーヒー店で、車内で飲むコーヒーと一緒にコーヒー豆を買った。荷物を増やしたくないタイミングなのに、家で淹れるコーヒーの豆を買うなんて、熱が戻ってきた感じ。
連休もあるし、このコーヒーのおともには、何か手間のかかるものをつくろうじゃないか。コーヒーへの復帰祝いとして。おめでたいことといえば、お赤飯かな。コーヒーにお赤飯て、よく合うのだ。
おめでたいことなんかなくても、コンビニコーヒーに赤飯おにぎり、という組み合わせをよくやる。理想を言えば和菓子屋さんで売ってる折り詰めのお赤飯が最高なのだけど。なんであんなにおいしいかね、和菓子屋さんのお赤飯。あれは餅菓子の範疇なんだろう。つやっともちっと、絶妙な硬さで。職人技だ。
ひとつ、ポイントとしては、炊かずに蒸してつくるのがいいのではないか、ということで、蒸してつくるお赤飯に挑戦してみた。やっぱりね、蒸し器でつくると、べちゃっとしない。正解だった。手間はかなりかかったにしても。この連休に何かしたいと思っていたところだったし、まあ、ちょうどよかった。
連休のコーヒーのおともに、蒸してつくるお赤飯。手間をかけて、時間をかけて、コーヒーを淹れて、お祝いしよう。おめでたいと思えるようなことは、さがせばきっと、何かしらあるから。
材料と作り方はこんな感じ
蒸してつくるお赤飯 材料と作り方
※ もち米は前日に準備する
- もち米を研ぎ、一晩浸水させる
- もち米 500g
- 水 適量(米がかぶるくらい)
- あずきを洗い、たっぷりの水と一緒に鍋に入れて中火にかける。沸騰したら火を弱めて柔らかくなるまで茹でる
※ 沸騰して30分くらいが目安 - あずき 75g
- 水 1リットル
- ②のあずきを網ですくい鍋からボウルに取る。鍋にのこした煮汁は色が濃くなるまで10分ほど弱火にかける。このとき、煮汁をおたまですくいあげて鍋に戻す作業を繰り返して空気に触れさせるようにする
- ③の煮汁を大きめのボウルに移し粗熱をとる。①のもち米はざるにあけて水を切って煮汁のボウルに入れる。軽く混ぜて10分おいたら煮汁を切り、上から水を流して煮汁を軽く洗い落とす
- ③のあずき、水気を切った④のもち米、塩をあわせて混ぜる
- 塩 小さじ1/2
- 蒸し器の湯をわかし、蒸気が立ったら火を止めて、水で濡らしてしぼった蒸し布を蒸し器に敷く。蒸し布の上に、⑤であわせたもち米とあずきをドーナツ状に広げ入れて(中央をくぼませる)、蒸し布の端を上面にかぶせて包む。蓋をして中火で40分蒸す
- ⑥のもち米とあずきを蒸し布にくるんだまま蒸し器からざるに取り出し、上から水をかける(打ち水)。ざるに入れたまましばらく置いて水気を切ったら、蒸し器に新しい蒸し布(濡らしてしぼる)を敷いて、⑥と同様に、もち米とあずきをドーナツ状に広げ入れる。敷いた蒸し布で包んで蓋をして、中火で20分蒸す
- ⑦が蒸しあがったら蒸し布ごと取りだし、深めのバットなどに広げて冷ます(蒸し布は取り去る)
- 器に盛り、ごましおを振る
- ごましお 適量