「うちの卵なんだけど」と、いただきものをした。お庭でニワトリを飼っているんだって。「うちの卵」って、懐の深さを感じる響きだなあ。ニワトリという、思うに任せぬ時間軸をもうひとつ、生活の中に抱えているのだもの。自分の暮らしにいっぱいいっぱいな人間には、できないことだ。
卵を使ったコーヒーのおともを作ろう。卵の存在感がある何か。ちょっと考えて、カステラを作りたくなった。SNSで流れてきた誰かのカステラレシピを見たからだと思うけど、誰のだったか、思い出せないな。
みりんが入るんだっけ。底にざらめを敷くんだよね。水飴も使っていたような?
買い物リストを作ろうとレシピを探していたら、家にあるもので作れそうな、材料4つのカステラレシピが公開されていた。
はちみつカステラなんて、コーヒーのおともにばっちりじゃないか!
「カステラに牛乳」は最高だから、コーヒーのおともにするなら、ミルクたっぷりカフェオレがいい。深煎り豆のドリップコーヒーとホットミルクを1:1で合わせてさ。カフェオレには、はちみつの香りも、よく合うし。
買い物に出る必要がなく、そのまま作り始めたら、1時間後には焼き上がっていた。すごい、なんという作りやすさ。ただ、カステラ独特のギュッとした食感のためには、1日寝かせないといけない。今日、作れるのは、明日のコーヒーのおともだ。
急いでも省略できない時間はあるし、そもそも、急がなきゃいけないんだっけ。こういう時間も必要だよね。ニワトリの世話なんて、とてもとても無理!な余裕のない日々でも、カステラ生地がしっとり馴染むくらいの時間は待てるゆとりを持ちたいものだ。
いただいたのは「うちの卵」だけど、奥行きある暮らしをお裾分けしてもらったのかもしれないね。
レシピ動画と同じ18cm角のケーキ型を持っておらず、15cmの正角セルクルに合わせて箱型に折ったオーブンシートに生地を入れて焼いた。
底の焼き色が綺麗につかなかったのと、上面がしわしわになってしまった残念ポイントはありつつ、ちゃんとカステラになっていて大満足。グルテンをしっかり出すことが、しわしわ対策になるらしい。つぎに作るときは、しっかり混ぜよう。
実際につくった分量とやり方をメモしておく。
はちみつカステラ 材料と作り方
※ 15cm x 15cm 角セルクル使用
下準備① セルクルの内側に箱型に折ったオーブンシートをセットしておく
下準備② オーブンを180℃に予熱する
- ボウルに卵を割り入れ、砂糖を加えて白くもったりするまで電動ハンドミキサーで混ぜる
- 卵 3個
- 砂糖 80g
- 泡立てた①に強力粉をふるい入れ、ゴムベラで切り混ぜる
- 強力粉 80g
- 別なボウルに湯とはちみつを合わせて混ぜ、②の生地を少しとってよく混ぜる。はちみつを混ぜた生地を、ゴムベラで切り混ぜながら、②の生地に少しずつ加える
- はちみつ 55g
- 湯 55g
- セルクルの内側にセットしたオーブンシートの紙型に③の生地を流し込み、竹串で混ぜて気泡を抜く。180℃のオーブンで15分焼く
※ 上面に焼き色がつくまで
- ④の上面をアルミホイルで覆い、オーブン温度を150℃に下げて20分焼く
※ 竹串を刺して生焼けの生地がついてこなければ焼き上がり
- 焼き上がったら、紙型を10cmくらい持ち上げ垂直に落として蒸気を抜く。熱いうちにセルクルから外し、上面にオーブンシートをのせて上下を返し、カステラからオーブンシートをはがす。上からラップをかぶせて10分ほど置いておく
- ⑥の粗熱が取れたらまた上下を返し、ラップでぴったり包んで1日おく
- 端を切り落とし、切り分ける
※ 湯で温めたパン切り包丁を濡れたまま使う
15cmの正角セルクルを使ったのは、家にそれしかなかったから。こういうやつ