家にこもりきりで、なかなか外出もできないとなると、目にうつるのは変わりばえのしない景色ばかり。コーヒーのおともに、季節を感じるおいしいものをお取り寄せしてみた。マスカット・オブ・アレキサンドリアをひと粒まるごと求肥でくるんだお菓子、共楽堂の「ひとつぶのマスカット」。
マスカットの旬は、7月くらい? 走り(はしり)ー 盛り(さかり) ー 名残(なごり)で言うと、いまぐらいは、走りということみたい。小粒で酸味が強いんだって。リーフが入っていた。初物を食べると七十五日も寿命がのびるとのこと。人の噂も風化するくらいの期間。
マスカットの酸味と皮の苦みには、みずみずしい果物を食べた時のような満足感があって、求肥の香りと食感には、マスカットをそのまま食べるんじゃなく菓子にした意味がわかるような絶妙さがある。
浅煎りの豆で淹れた、果実味が感じられるようなアイスコーヒーのおともに良さそう。いま時季のコーヒーのおともには、走りのマスカットの酸味が、よく合いそうな気がするんだ。
旅行も買い物もままならないとき、公式サイトで通販できるのはありがたい。こんな時世でも季節は巡るし、おいしいものの旬も巡ってくるから。
変化の乏しさから気持ちが停滞してくる日常には、気分転換が必要だ。ご当地の味で旅の擬似体験をするとかね。